合宿して走る


(関) 合宿についてですけれど、以前から聞いてる話としては、沖縄に比べて春先の天候が安定してるって聞いてます。その他若い頃から合宿をしてきて、イイと思う所を語ってください。
(高) 自転車選手にとっては、とにかく信号がない、車が少ないってのが絶対条件。私がまだ20際位のナショナルに入った頃から、平坦の海沿いコースは走っていた。
 
(関) 山には行かないんですか?
(高) 春先には、LSD(Long Slow Distance)がメインなので山には入らない。それがメインだから・・・シーズン入る前にくるくる回しながら走るトレーニングになる。山に入ると、寒い時期は負荷がかかって膝を壊すことがある。暖かくなったら、追い込むトレーニングに入る。膝っていうのは脂肪がないから、だんだん冷えて油切れのようになって炎症を起こす。春先にそれをやると、シーズン全てをダメにしてしまう事がある。
 
(関) そういう意味では、沖縄は温かいですよね?
(高) そう、だから皆沖縄に行く人が多い。ただ、安房は天候が安定しているし、メニューをちゃんと考えれば十分なトレーニングが出来る。そして、関東やそれ以北の人にはなんといっても近い。都内から車でスグ来れるし、飛行機と違って送らなくていいのはすごいメリットだよね。
 
(関) 現役時代は、どのあたりに泊まってたんですか?
(高) 東京から近いという理由で館山。自衛隊の基地のあたりかな。体幹トレーニングが出来る砂山も有る。いまでは、各地に安く泊まれる施設があったり、その頃とは環境や道路事情が変わったから選択肢が広いよね。体幹トレーニングは砂浜でもできるから、それなら安房のどこでも有るよね。それと春先は風が強いことがあって、海岸の道は風の吹いた時のレースを想定したトレーニングが出来る。あまり強いと砂が道路に上がってくるので、その場合は山のコースに入るけれど。
 
(関) 風ですか?それってそんなに大切なことですか?
(高) そうだね。強い風が吹いて、それを身体で感じながら走れる場所って言うとそんなに無いので、それを体感しておくのは結構大事なことになる。
 
(関) 現役時代の合宿は、実際どこが一番多かったのですか?
(高) 春は、ここ安房で、次が伊豆かな。伊豆はバンクがあるからその練習には伊豆に行っていた。ただし、道路を走る練習はやっぱり安房だね。
 
(関) 最近筑波に行く人が多いようですけれど、どうしてなんですか?
(高) 都内からは、走って行けるって感覚なんだと思う。だけどね、千葉県内の人も筑波に結構行くんだよね。それは、やっぱり安房は遠いっていうイメージがまだまだあるんじゃない。近いのにね。そして筑波で出来ることは、ここで全て出来るよ。
 
(関) でも筑波は施設が整ってるとか?
(高) というよりも、自転車クラブとかショップがいくつか有るってのもあると思う。 
 
(関) 今後は安房、あわのくにをサイクリストにとって理想の地域にしていきたいですよね。ボクは 来るたびに、あらゆる要素に伸びしろがいっぱいあるな~って感じてしょうがないです。